新型コロナの影響で、飲食店では、三密に対する対策を迫られています。
また、ソーシャルディスタンスという言葉もよく使われています。
コロナ以前までの状況では、考えもしなかった新たなルールに
飲食店の対応が追いついていない状況です。
現在の状況に合わせた形で、飲食店で空席を作らないための様々な方法が出始めているので
アルコール消毒や清掃などの基本的なこと以外で
新型コロナ対策に対応するための具体的な方策を紹介していきます。
目次
新型コロナにおける、「三密」と「ソーシャルディスタンス」とは?
改めて、三密こと、3つの密とは、
・密集(みっしゅう)
・密接(みっせつ)
・密閉(みっぺい)
からなる言葉の、密が3つで、「三密」と言われています。
それぞれ、
密集:少人数でも、近い距離で集まること
密接:手が届くような距離で会話や運動などをすること
密閉:換気ができない空間や場所のこと
とされています。
また、ソーシャルディスタンスというのは、
社会的距離と日本語では訳すことができますが、
簡単に言うと、新型コロナの感染リスクを避けるために他者との距離を取りましょう!
という考え方です。
具体的な距離感としては、くしゃみをすると3メートルほどの距離に飛散するといわれており
咳をした場合は、2メートルほどの距離に飛散すると言われています。
そのため、おおよその距離感として、両手を広げてお互いに触れ合わない距離をとるというのが
ソーシャルディスタンスの考え方となります。
つまり、「三密」も「ソーシャルディスタンス」も、
基本的には、飛沫感染、接触感染に対しての対策となっているため、
厳密には、飛沫感染と接触感染に対応できれば良いのでは?
という考え方が出てきています。
飲食店が取るべき飛沫対策とは?
コロナ以前までの店内の状況でいうのであれば、
カウンター席で、肩が触れ合うような距離は、
三密のすべての条件を満たしているような状況になります。
また、初期の三密対策として、カウンター席では、
席を1つか2つ空けて座るという形をとったり
テーブル席自体を禁止にしたりしていました。
もちろん、これらの対策で、接触感染に関しては、問題のないレベルとなってきています。
しかし、飛沫感染に関して対応できているかというと、
実態としては、できていない状況でした。
そういった状況で、飛沫感染に対応するために
アクリル板を利用したパーティション(間仕切り)の利用と
空気の流れ(エアフロー)を制御するための換気システムの改善が
飛沫感染の対応として、注目されています。
アクリル板での飛沫対策
カウンター席用のアクリル板としては、
店員とカウンターを区切るためのアクリル板と
左右の座席毎を区切るためのアクリル板が必要となります。
これらの用意には、一席あたり、5000円~15000円ほどの費用がかかります。
テーブル席用のアクリル板としては、
テーブル席が4人がけの場合は、
中央に十字になるようなアクリル板の用意が必要となります。
こちらの場合は、1テーブルあたりで、3000~10000円ほどの費用がかかります。
また、テーブル席用のものだと、中央部分の下部をくり抜いたタイプも存在しますが、
料理に飛沫する可能性があるため、おすすめしません。
エアフローと換気での飛沫対策
費用面でも、対策としても、一番厳しい内容の一つになるのが
空気の流れ(エアフロー)と換気の対応です。
まず、勘違いしやすいものとして、
エアコンで、換気ができると思われている点です。
ビルなどの備え付けのエアコンや家庭用の壁掛けエアコンは、
換気機能がほとんどの機種でありません。
飲食店などでは、別途換気用の機能をつけているかと思いますが、
そういった換気システムがない場合は、新たに設置するか
空気清浄機等を設置し、飛沫対策をしなければなりません。
換気システムを天井に新たに設置等を行うとなると、
数十万円から数百万円に及ぶ可能性があるため、
補助金などの申請などで対応できない場合は、
換気システムの導入は見送る必要がでてきます。
空気清浄機等を設置する場合は、空気の流れを制御できるようにするために、
サーキュレーターや扇風機などの併用が必要になります。
また、焼き肉店などの、テーブルの中央に、ロースターがついているタイプの場合は、
ロースターの横に煙を吸い込むようになっているタイプがあり、
飛沫をロースター側に引き寄せてしまうため、ロースター自体を使用禁止にする必要があります。
飲食店が取るべき接触感染対策とは?
主に、アルコール除菌などで、対策を取っている場合がありましたが、
接触感染対策として重要なのは、なるべく共用部分に触れさせない。
というのが、大前提になります。
では、どういった対策ができるのか?
キャッシュレスによる支払い時の接触感染対策
まず、導入すべきなのは、支払い時のキャッシュレス決済です。
キャッシュレス決済の方法としては、
大きく分けて
クレジットカード決済:クレジットカードによる、端末へのカード差し込みタイプ
電子マネー決済:ICチップなどを端末へかざすタイプ
QR、バーコード決済:スマホアプリなどで、QRコードやバーコードを読み込ませるタイプ
があります。
昔からあるタイプだと、クレジットカード決済の差し込みタイプが多いかと思います。
しかし、カードを差し込む際に、カードを店員に一度渡す必要があったり
承認するためにパスワードの入力を求められる場合なのどがあるため
完全に非接触とはならない場合があります。
そのため、キャッシュレス対応をするのであれば、
電子マネー決済や、読み込ませるタイプを導入することをおすすめします。
導入には、数万円から数十万円ほどかかります。
また、決済毎の手数料が取られますが、これらの対策を怠るのは、現状おすすめしません。
トイレの接触感染対策
対策を何もできない場合は、トイレの利用禁止にするなどの対策方法もとれますが、
居酒屋などでは、どうしても、トイレが必要になってきてしまいます。
その場合、対策として有効なのが、手洗い場の改修です。
まず、水道を手をかざすと水がでるタイプ(自動水栓)に変更することや
ペーパータオルを設置することです。
手をかざすと風で水を切れるハンドドライヤーに関しては、
菌の飛散を誘発する可能性が高いため、ペーパータオルへの変更が必要になります。
自動水栓を導入する場合は、
電池式のものであれば、工事費込で2万円以下でも変更可能です。
また、トイレへの入り口を自動ドアにすることや、
便座の自動開閉タイプへ切り替えること、
手をかざすと水が流れるタイプに切り替える等の対応も
視野に入れるとさらに効果的です。
まとめ
飲食店におけるコロナ対策としては、基本的なアルコール消毒や清掃の他に
飛沫対策として
・アクリル板による間仕切り
・空気の流れと換気対策
接触対策として
・キャッシュレス化
・トイレなどの共用部分の非接触化
を、行うことで、対応していく必要があります。
これらを対応するための補助金などの制度もあるので、
withコロナ、アフターコロナとなる時代に対応するためにも
対策を検討してみてはいかがでしょうか?