急成長するデリバリー市場! 市場規模、今後の課題 を 解説!

2020年5月15日

最近よく目にする「テイクアウト」や「デリバリー」「出前」の文字ですが、飲食店業界では今、何が起こっているのでしょうか?
今回は、日本のフードデリバリーサービス、ネット利用などにおける市場規模や現状、また、デリバリーが盛り上がっている背景などを解説します。

本記事を読むことで、飲食店が今後デリバリーに力を入れる必要性が分かるはずです。
飲食店業界で働いている人は参考にしてください。

成長するフードデリバリーの市場規模の今

はじめに、近年急速に成長しているフードデリバリーサービスの市場規模の現状について解説します。

エヌピーディー・ジャパン株式会社の「外食・中食の出前市場動向分析レポート」によれば、
2018年の日本のフードデリバリーサービス市場は4,084億円であり、前年比+5.9%も成長したことが分かりました。

2016年には+5.8%、2017年には+2.3%と増加しており、ここ数年の間安定的に増加の一途をたどっています。

外食・中食市場の一般的な成長率は2%前後といわれているなか、飛躍的な成長を遂げていることが分かるでしょう。
(参考:https://www.npdjapan.com/cms/data/2019/04/NPDPR_20190410_FoodserviceDelivery-1.pdf

約半数の人が、主要出前7サービスを利用しているとは?

同レポートでは「どのように、誰がデリバリーを注文しているのか」という調査も行われています。
これによれば、お店に直接出前を注文する人が約36%もいましたが、約半数の人は「主要出前7サービス」を利用して注文していることが判明しました。
主要出前7サービスとは次のとおりです。

● ウーバーイーツ
● 出前館
● ごちクル
● dデリバリー
● 楽天デリバリー
● ファインダイン
● LINEデリマ
(※順不同)

なお、主要出前7サービスを利用している顧客の割合で最も多かったのは「男性15〜29歳」で、全体の32%を占めています。

次に「男性30〜49歳」と「女性15〜29歳」が14%ずつを占める結果です。
14歳以下の利用も多いですが、これは保護者と一緒に利用するからと考えられています。
(参考:https://www.npdjapan.com/cms/data/2019/04/NPDPR_20190410_FoodserviceDelivery-1.pdf

デリバリーの市場規模が盛り上がっている背景とは?

続いてフードデリバリー市場が盛り上がっている背景を考察します。

コロナ感染拡大による外出自粛の影響

2020年には新型コロナウイルス感染拡大防止策として日本各地で外出の自粛が要請されました。

不要不急の外出を避けるため外食を控える家庭が多く、飲食業界は大打撃を受けています。
そこで多くの飲食店がデリバリーやテイクアウトを始めたのです。

このことは飲食店だけにメリットがあるわけではなく、家庭で毎日料理を作る主婦からも喜ばれる結果となりました。
なぜなら毎日3食をしっかり料理するということは、ほかの家事や育児、仕事をしている人にとって大変な労力だからです。

また、普段から、コンビニやファストフード店などで、食事を取っていた、独身男性なども
飲食店へ行くことを、ためらうことも増え、出前で済ませてしまうケースも増えています。

こうして需要と供給のバランスがうまく取れたことも、デリバリー市場規模を成長させる背景となったと考えられるでしょう。

女性の社会進出や高齢社会など情勢の変化

フードデリバリー市場が盛り上がっている背景として、まずは「女性の社会進出」や「高齢社会」などの情勢の変化が考えられます。
一昔前は女性が専業主婦として在宅し、家事や育児を行っていました。

しかし現代では、女性も社会で活躍できる情勢へと変化を遂げつつあります。
そのため家事の1つである食事作りに充てる時間が減り、それを補うためにデリバリーを利用するようになったのです。

また高齢社会が進むにつれて自炊することが難しい家庭も増えています。
デリバリーサービスはこうした問題をサポートするため、多くの人から求められているわけです。

スマホやタブレットなどITツールの進化

私たちの生活のなかに当たり前のように存在している、
スマホやタブレットなどのITツールの進化もデリバリー市場を成長させています。

オンラインで手軽にデリバリーを注文できることから、多くの人が出前を身近に感じるようになったわけです。

また、スマホやタブレットひとつで支払いまで完了できるキャッシュレス化も一般化されつつあるため、
デリバリーサービスの利用者は今後さらに増えると考えられます。

軽減税率制度の施行

2019年に行われた消費税の軽減税率制度も、デリバリー市場の成長を後押ししています。

店内で食べるよりも、デリバリーやテイクアウトをした方が税金が安くなるため、出前を選ぶ人が増えているのです。

今のところ軽減税率制度の期間は定められていませんので、
今後もデリバリーサービスの人気は衰え知らずといえるのではないでしょうか。

日本のデリバリー市場における課題

次に、日本のデリバリー市場における課題を2つ説明します。

トラブル発生時の責任の所在を明確にする

デリバリーでは、お店の従業員が、必ずしも、配達をするというわけではありません。
飲食店は、配達をする人員を割けないため、多くの場合は主要出前7サービスのような外部サービスに委託します。

ただこのとき、「お店」「配達員(第三者)」「顧客」の3者が関わるため、
配達時にトラブルが起きてしまった場合に、責任の所在が不明になるという課題があるのです。

そのため今後はしっかりした管理体制を築き上げ、責任の所在を明らかにしておく必要があります。

配達員の補償問題

デリバリー業務を受託する外部サービスは、アルバイトやパートなどを雇用して配達業務を請け負っていることが多いです。
しかし、配達員が業務中に事故や事件に巻き込まれてしまった場合などの補償が整備されきっていないことも課題としてあげられます。

2019年10月には、ウーバーイーツが配達パートナーへの補償を追加したことが話題となりました。
今後デリバリー市場は成長していくと予測されるため、ほかの配達業者も補償を整えていく必要があるといえるでしょう。

まとめ

この記事では、日本のフードデリバリー市場の現状について解説しました。

近年さまざまな背景があり、日本のデリバリー市場は成長し続けています。
飲食店が今後生き残っていくためには、時代に合わせてそのあり方を変化させることが必要となっています。

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