店長の仕事とは?やりがいや求められるスキル・平均年収などを解説

2020年5月22日

「飲食店の店長を目指したいけど、実際にはどんな仕事がある?」と、
その内容が気になっている人も多いのではないでしょうか。

店をうまく回すためにスタッフに適切な指示を出し、
スタッフの手本になっている店長を見ていると「かっこいい」と憧れる人は多いです。

そこで本記事では、飲食業界における店長の仕事ややりがい、求められるスキルなどを解説します。

店長になるうえで大変なこともご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

店長とは「人・物・金」を動かす管理職である

店長と聞くと漠然と「店の一番偉い人」というようなイメージを持っている人も多いでしょう。

店長とは「人・物・金」を動かしすべてを管理する人のことです。

すべての管理者かつ責任者である店長は、業務全般を完璧にこなさなければなりません。

ほかのスタッフの手本となる存在が店長だといえるでしょう。

店長の平均年収は「393.1万円」

仕事量が多いだけではなく責任が重い店長の平均年収は「393.1万円」です。
(参考:https://doda.jp/guide/zukan/086.html

2019年9月に国税庁が発表した「平成30年分民間給与実態統計調査結果」によると、
民間企業で働いている人、つまりサラリーマンの平均年収は「441万円」でした。
(参考:https://www.nta.go.jp/information/release/kokuzeicho/2019/minkan/index.htm

両者を比較してみると、一般的なサラリーマンよりも飲食店店長の方が低い平均年収になっています。

しかしながら店長の仕事には大きなやりがいがあるため、希望する方は絶えません。
それについては詳しく後述します。

飲食業界における店長の仕事は主に5つある

飲食業界で働く店長の仕事をご紹介します。

適切な人員配置を行い店舗を運営する

店長は混む時間帯や曜日などを把握して適切な人員配置を行い、お店を回さなければなりません。

混む時間にはスタッフを多く出勤させ、空く時間にはスタッフも減らすようにシフトを調整します。

また人数だけを考えるのではなく、スタッフ一人ひとりの適性を見極めて配置をすることも重要です。

具体的には、お金の計算が得意で正確なスタッフはレジを担当してもらい、
お客様への気配りが上手なスタッフはホールを担当してもらいます。

こうした適切な人員配置は、効率よく店舗を運営するのに必要不可欠なのです。

店舗の管理やメンテナンスをして環境を整える

お店を回すだけが店長の仕事ではありません。

設備に不具合が生じている場合には業者に修理を依頼したり、
定期的なメンテナンスをしたりとお店の環境を整えることも大切な仕事です。

環境を整えるということにはお店の清掃も含まれます。

「自分は店長だからやらなくていい」ということはありません。
店長の背中を見て育つスタッフは多いです。

店長が率先してやらなければ、ほかのスタッフがいつしかサボるようになってしまいます。
常に誰かのお手本になっていることを意識する必要があるでしょう。

人材育成をしてスタッフを成長させる

スタッフを育成することも店長に求められる仕事の1つです。
スタッフが多いお店では、先輩スタッフが新人に仕事を教えることもあるでしょう。

しかし少数精鋭で運営している飲食店では店長の仕事になることがほとんどです。

人材育成をする際には「物事の暗記が得意なスタッフ」や
「素早く行動できるスタッフ」など、スタッフ一人ひとりの特性があることに注意しましょう。

不得意な部分を伸ばそうとしてもうまくいきません。
しっかりと各スタッフが何を得意としているのかを見極めて、その部分を伸ばしていくことが成長させるコツといえます。

上層部への適切な報告や情報共有

完全に個人経営のお店ならば本社や上層部などはありませんが、
フランチャイズ契約をしている人や雇われ店長の場合には適切な報告や情報共有も仕事の一環です。

社会人では当たり前とされている「報連相(報告・連絡・相談)」を徹底して、業務報告や売上報告などを行います。
また、上層部から指示された内容や経営方針などを、自店舗のスタッフに伝えなければなりません。

上層部から受けた指示をスタッフが知らなかったことで起きたトラブルなどは、店長の責任になるため注意しましょう。

コンプライアンス遵守で店舗とスタッフを守る

店長には、労働基準法や採用時に提示した労働条件などを守る義務があります。
店舗が忙しいからといってスタッフに過剰労働をさせたり、
雇用条件を外れた働き方をさせていたりした場合は労働基準監督署などから指導が入ることもあるのです。

そうなると世間からの信頼も失い、業績が悪化して経営破綻してしまうケースも珍しくはありません。
こうしたコンプライアンスを順守するためにも、適切な人員配置や人材育成が重要となります。

店長の仕事は大変ながら大きなやりがいもある

これまでに店長の仕事をご紹介しましたが「店長って大変そうだな」と感じた人もいるかもしれません。
しかし大変ながら大きなやりがいもあります。

ここでは2つのやりがいについてご説明します。

売上目標を達成したときの喜びが大きい

店長はお店を経営していくにあたり、日々「売上目標」を掲げ、
それを達成するためにはどのように努力をしたらいいのかを考えています。

スタッフと協力してお客様のために行動することを継続した結果、
目標を達成できたときの喜びは大きいはずです。

売上を上げることができれば、お店の設備投資やスタッフへの賞与に充てることもでき全体の士気が高まります。
そしてさらに高い売上目標を掲げることが可能です。

年齢関係なく活躍でき、周囲から慕われる

店長になると年齢は関係なく活躍できます。
実績が積み上がれば20代から店長になる人も少なくありません。

お店を経営し、店舗を運営する裁量を持てることは非常に大きなやりがいとなります。

またお客様と同じくらいにスタッフを大切にしている店長であれば、スタッフから慕われることもあるでしょう。

まるで家族のように信頼関係が生まれ、お店全体が明るく活気があふれる楽しい職場となるはずです。

店長の仕事で難しいところは3つ

次に店長の仕事において難しいとされる点を3つご紹介します。

常に数字に追われる

仕事のやりがいでも述べましたが、店長は日々、売上目標や回転率などの数字に追われています。

もしも目標をクリアできない状態が続いている場合、
個人経営のお店ならば「このままでは店がつぶれてしまう」という不安がつきまとうでしょう。

また、チェーン店などでは上層部から異動や降格などの指示があるかもしれません。

飲食店経営は経済状況が影響することも多く、常日頃から数字に追われるプレッシャーを感じている人も多いでしょう。

スタッフの指導で苦戦することもある

店長の仕事の1つとして、スタッフの人材育成があることをお話ししました。

前述のとおり、スタッフ一人ひとりに合わせた指導をすることが求められますが、
各スタッフの特性に合わせた指導をしたからといって必ずうまくいくとは限りません。

スタッフ本人が「自分にはこの仕事は向いていない」と判断してしまえば、
一生懸命指導してきたにもかかわらず退職してしまうこともあるのです。

退職者が多ければ離職率を下げる対策も講じなければなりません。
こうした人材育成の仕事でも厳しさを感じることがあるでしょう。

長時間労働になることが多い

店長は、ホールやキッチンなど幅広い業務をこなす必要があります。

そのうえで、スタッフの残業を減らすために自分が仕事を引き受けたり、
欠勤者の代わりに休日を返上して自分が出勤したりと、長時間労働になりやすいことは確かです。

しかし一般的な会社の長時間労働は辛く感じても、
自分のお店やスタッフを守るためだったら辛くないという人が多いのも事実。

お店を切り盛りすることが趣味のように感じられ、
時間経過が早く感じられることもあります。

とはいえ、体調を崩さないように注意することが何より大切ですので、くれぐれも注意してくださいね。

店長に求められる3つのスキルとは

最後に、店長に求められる3つのスキルをご紹介します。

店舗を運営する「オペレーションスキル」

冒頭でも述べたとおり、店長とは「人・物・金」を動かしていく管理職です。
そのため店舗を運営する「オペレーションスキル」が求められます。

これは店舗をうまく運営していくために適切な指示を出すなど、迅速に行動できるスキルのことです。

例えば「お店が混んできたからAさんは1〜5番テーブル、
Bさんは6〜10番テーブルを担当してください」など適切な指示を出します。

そうすることで混んでいる状態でも各スタッフが「今自分がやるべきこと」を把握でき、効率よくお店を回せるわけです。

このように、オペレーションスキルが高い店長はスタッフからよく慕われます。

厳しい情勢を乗り越えていく「経営スキル」

店長には「経営スキル」も重要です。
「どうしたら売上アップにつながるのか」「どうしたらもっと集客できるか」などを考え、
成功に導くための行動をしなければなりません。

先にも述べましたが、飲食業界は経済状況の影響を受けやすくその時々で適正な対応が必要です。
世の中の動きに敏感になり、迅速に行動していくことで厳しい情勢を乗り越えていくスキルが求められます。

スタッフを引っ張る「強いリーダーシップ」

売上を上げるためにはスタッフを引っ張る「強いリーダーシップ」が必要です。

リーダーシップとは統率力や指導力を意味しています。

そのため「店長の言うことを聞け!」と怒鳴りつけてスタッフを従えるのではなく、
スタッフ一人ひとりの意見に耳を傾け最善の策を練っていくことが重要です。

確かに店長は物事を決める権利を持っていますが、「リーダーシップがある=独裁者ではない」ということを留意しておきましょう。

まとめ

この記事では、飲食業界における店長の仕事ややりがい、求められるスキルなどを解説しました。

仕事量も多く、大変に感じている人もいるかもしれません。
しかし、それ以上に大きなやりがいもあり、楽しいから続けているという人もたくさんいるでしょう。

飲食店の店長を目指している人は、店長としての仕事だけではなく大変な部分や求められるスキルを理解しておくことをおすすめします。
そしてスタッフに慕われる素敵な店長を目指してくださいね。

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